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AMI's HP ブログ別館

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ドミ来る その3

ドミ来る その3


ショッキングな知らせは、母がもたらすことになった。生後2ヶ月のワクチン接種のため、初めて連れていった獣医さんから、母はいきなり言われてしまったのであった。

「この仔は生後2ヶ月にしては、体も大きいし、餌も食べますね。でも、2ヶ月にしては、性格がキツイし、噛み癖がついていますよ。」

あれ?つまり乱暴者でしつけが出来ていないって事?ということは、全然ダメじゃん。

もちろん、母だって動物病院からタダでは帰ってこない。獣医さんから引きだせるだけの情報を引きだして、知識を増やして帰ってきた。もちろん、各種パンフレットもしっかり持って帰ってきた。さすが。

なにせ、母が一番目から鱗だったのが、獣医さんの手に噛みついたドミを叱った、獣医さんの迫力だったらしかった。「ダメ!」と一言、言われたドミは一瞬ビクッと体を固まらせ、それ以降、決して獣医さんの手を噛まなかったらしい。

「一回言われただけで、噛まなくなったのよ、ドミったら、腹立つー。」と母は言ったが、つまり、我々の今までの叱り方は全然なっちゃーいなかったのだ。手を噛ませること自体が良くないらしく、今やドミは、人間の手は、噛んで一番面白いおもちゃと言う認識になっているので、まず噛ませないようにしないといけないらしい。さらに、ロープの引っ張り合いっこなどの、闘争心を煽る遊びもダメ。

しかも、子犬の性格矯正、しつけの一番いい時期とは、生後2ヶ月から3ヶ月の間ということらしいのだ。ということは、この1ヶ月間が勝負ということか?時間いっぱい、待ったなしである。しょうがない。昨日までとはちょっと待遇が変わっちゃうかもしれないが、心を鬼にして、「ドミをきっちりしつける月間」が始まったのであった。

とにかく、本格的に、しつけと服従訓練を始めることにした。それに先立って、家族間での命令(コマンド)の統一を図った。「お座り」「待て」「伏せ」「おいで」「ハウス」等を、みんな同じ言葉で命令するようにしたのである。怒るときは「ダメ」。誉めるときは「お利口」。それと、叱ったり、誉めたりするシチュエーションもなるべく統一するように、パソコンでマニュアルを作成し、プリントしてみんなに読ませた。

例えば、キャンキャンガウガウ吠えているときは、絶対にサークルから出さない。静かにしていたり、お利口にしているときには、積極的にサークルの外に出して遊んであげる。手を噛みに来たら隠して、それでも噛むようなら「ダメ!」もしくは「イタイ!」と叱る。噛んではいけないもの(電気コード等)を噛んだときもしっかり叱る。

ドミはちょっと我々を甘く見るようになってきていたので、叱って、逆切れして我々に吠えることがあった。その時は、速やかにサークルに入れて、しばらく吠えても無視する。静かになったら、また外に出して遊んであげる。

しかも、興奮しやすい犬は、興奮させることによって、ますます興奮しやすくなると言うことだったので(わかりにくい日本語だ)、なるべく静かに、興奮しないように遊んであげるようにした。もちろん、引っ張り合いっこは止め、おもちゃで勝手に遊んでいるときも、エキサイトして頭を振りだしたり、唸りだしたら、おもちゃを取り上げるようにした。遊びの途中で興奮しだして治まらないときは、サークルに入れて無視した。興奮したり、吠えたりすると遊んでもらえないという条件付けをするためであった。

しかし、またこのドミが、性格がきついのか鈍いのか、サークルに入れて無視しても、一向に気にした様子がない。早々に出してもらうことを諦めて、勝手におもちゃで遊んだりしている。ちょっとぐらいこたえた様子でもあれば、まだしつけを実感できるのだが、「こいつ、叱られてること、わかってる?」とちょっと疑惑をもってしまうようなふてぶてしい態度だ。

昼間はベランダで走り回らせたり、夜は家中を走り回らせたりして、ストレス解消はなるべくさせるようには努めた。土日には車でドライブに連れていき、空き地で散歩の訓練もさせてみた。

そして、餌で釣りながらの「お座り」「待て」の訓練を始めた。最初は餌がもらえないと逆切れして吠えていたが、その度に餌がお預けになったり、サークルに入れられたりしているうちに、どうやら「そうしないといけないもの」とわかったらしかった。「お座り」「待て」がなんとかできるようになったので、次は「おいで」をしつけた。「おいで」といって、来ないと無視し、来たら誉めて、餌をやる。これもなんとかできるようになった。

これらは服従訓練と言って、飼い犬に自分の群れでの地位を確認させるためにも、必要な訓練であるらしい。とにかく、自分が人間より立場が上と飼い犬が勘違いしてしまう「アルファ・シンドローム(権勢症候群)」になってしまうと、犬にとってもすごくストレスになるらしいので、それだけは避けなければならない。

我々の努力によって、ドミはみるみる賢くなっていった…と書ければ話として完結するのだろうが、いかんせん現実はそれほど甘くない。ドミは言うことを聞く日もあれば、興奮しやすく、訓練の成果が出ない日もあった。

さらに、私が日々猛烈な勢いで情報を収集するので、子犬のしつけに認識が深まっていく一方「あ、これはやっちゃいけなかったらしい…。」というしつけの失敗も日々認識できるようになってきた。私のドミのしつけに関する指示が複雑怪奇になってきたため、弟などは「そんなにきっちりやらんでもいいんじゃない?」と、日寄ったことを言ったが、そういう態度がドミになめられる下地を作っているんだよ。

いろんなサイトなどを参考にしながら(有用なサイトはプリントアウトして熟読したぞ)がんばってドミをしつけていたのだが、まあちょっとづつマシになっていっているにせよ、なかなかしつけとはスムーズにいかないものだと、ため息をつく日々が続いた。ところが、ある本を読んで、私も認識を改める必要が出てきたのであった。


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